高齢者介護の現場における利用者への苛立ちについて

高齢者ねっと

現場スタッフの苛立ち

ニュースなどで高齢者介護の現場における虐待や事件などを耳にすることがあります。そのような事件はもちろんあってはならないことですが、現場のスタッフが利用者に対しての様々なストレスを抱えていることは避けられない事実です。

高齢者を介護する現場は大きく分けると、在宅療養される方の訪問と種々の施設に入居されている方のケアの2つになります。

施設における介護の現場の方が、利用者に対するスタッフのストレスは大きくなる場合が多いように思います。

在宅療養ではご家族が高齢者を看ており、介護スタッフは決められた時間のみ訪問してケアをするパターンがほとんどです。

施設の場合は高齢者の24時間をケアする必要があり同じ高齢者に長く関わらなければならないため、高齢者の問題行動から逃げられないことがその理由の一つなのではないでしょうか。

高齢者の問題行動

介護スタッフを悩ませる利用者の行動は、認知症によるものが多くを占めています。

ここには詳しくは記しませんが、認知症の中核症状が元になって行動として現れる、せん妄、抑うつ、徘徊、睡眠障害、妄想、興奮などの異常行動等により、ご家族や介護スタッフの負担が増大してしまいます。

一例として、施設の各部屋にほとんど設置されているナースコールを取り上げます。

必要時押すとスタッフと連絡が取れるナースコールはとても便利なものですが、頻回なナースコールによって介護現場のスタッフがストレスを感じてしまうケースはよく聞きます。

私も、ナースコールで呼ばれて訪室し高齢者のお話を伺い希望を叶えたはずなのに、部屋を出たとたんまたナースコールで呼ばれ、思わずイラッとしてしまった経験があります。

スタッフも人間なので「あなただけにずっと付き合っていたら、他の利用者さんのところにいけないじゃない!」「大した用事がないならもうナースコール押さないで!」という気持ちになってしまうことも、無理ないことはあるでしょう。

問題行動への対処

しかし、利用者に対して感じてしまった苛立ちをそのままぶつけてしまって¬は、冒頭に書いた虐待事件などに発展してしまいます。また、それでは介護のプロとは言えません。

認知症の周辺症状は必ず原因があり、改善策があると言われています。適切な対応と薬物治療で、問題を解決の方向に導きスタッフの負担を軽減させることが可能なケースがほとんどです。

実際に私が経験した「いたずらナースコール」も、不眠がある場合には睡眠パターンを把握し状態に合った睡眠導入剤を処方してもらったり、日中に適度な運動をして夜に良眠できるように配慮することで、ナースコールが押される回数を減らすことができました。

介護現場のスタッフの心構え

介護スタッフとして従事するようになったきっかけは、皆さん様々です。

お年寄りが好きだから、家族介護を経験したから、ニーズの高い職種だから、などなどあるでしょう。しかし一旦この業界を選んだからには、プロ意識を持って高齢者に接して欲しいと思います。

私はご高齢の方に接する時、自分の祖父母に重ねてしまうことが多々あります。代償行為と言ってしまえばそれまでですが、結果として利用者さんが気持ちよく過ごすことができるならいいのかもしれません。

また、因果応報とはよく言ったものです。

このまま数十年たてば、現在介護者である若者が要介護者の側に回ることは容易に想像できます。

認知症を患ったり、施設入居が必要な状況になることも十分あり得るでしょう。

その際に幸せな老後を送れるように、優しい介護の現場を作っておきたいものですね。