高齢者に不足しがちな栄養素のポイント

青いガクアジサイ

初めまして、管理栄養士の蒲原(かまはら)と申します。私の記事では、ご高齢者の皆さんの生活における食事や医療にまつわる内容について書いていきたいと思います。

年齢を重ねられると、食事や健康面でのさまざま問題が生じてきます。とくに、食事が満足に食べられない、病気のために思ったように活動できないといった悩みは、ご高齢者から毎日の喜びを奪うとともに、生活の質を大きく下げてしまう要因となります。

そのようなお悩みの解決やさらなる喜びの発見に少しでもお役に立てればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

最初の記事は、高齢者に不足しがちな栄養素についてポイントをまとめました。栄養的な内容に少し踏み込んだ食事を考える手助けになりましたら幸いです。

高齢者に不足しがちな栄養素のポイント

高齢者では、食べ物を消化・吸収する力が衰えたり、噛んだり飲み込んだりする力が衰えることで、食事の量が全体的に少なくなりやすい傾向があります。食事量が少なくなると栄養不良となり、体力や筋力、免疫力の低下につながりやすくなります。
下に、高齢者の食事で特に気をつけたい栄養素を挙げています。

タンパク質

タンパク質は、三大栄養素の一つであり、筋肉や酵素の材料となる栄養素です。タンパク質が不足した状態が続くと、筋肉量が減ったり、免疫力が下がったりしやすくなり、日常生活に必要な運動能力や細菌などへの抵抗力が落ちてしまいます。

◎タンパク質を多く含む食品

牛肉、豚肉、鶏肉、魚、大豆、卵、牛乳など。

高齢者の1日のタンパク質の必要量は、体重1kgあたり1g程度です。体重60kgの人なら1日60gのタンパク質が必要となります。

食品に含まれているタンパク質の量は、サバの切り身1切れ(約80g)なら約16g、しょうが焼きなどに使う豚の肩肉切り落とし1人前(約80g)なら約14g、卵1個(Mサイズ)で約7g、牛乳コップ1杯(200ml)で約7gとなります。

簡単な目安として、指を除くてのひらに収まるくらいの大きさの肉や魚の切り身4つ分で、ちょうど1日のタンパク質の適量になります(卵や牛乳は1つ分と数えます)ので、覚えておくととても便利です。

ビタミンB6、ビタミンB12、鉄分

これらの栄養素は、タンパク質が不足していると、同時に不足が起こりやすいため注意が必要です。

◎多く含む食品

・ビタミンB6、ビタミンB12:レバーなど内臓、卵、魚、肉
・鉄分:肉(赤身)、魚、レバーなど内臓、あさり、牡蠣(かき)など

対策としては、タンパク質をしっかり取ることを念頭において考えていただければ大丈夫でしょう。

カルシウム

カルシウムは、高齢者に限らず、日本人でもっとも不足しやすい栄養素の代表格です。とりわけ高齢者では、カルシウムに不足で骨が弱くなりやすく、足腰の力が弱まって寝たきりへつながる危険があるため注意が必要です。

◎カルシウムを多く含む食品

牛乳、チーズ、小魚、えび、貝、大豆など

高齢者のカルシウムの1日の必要量は、約600~700mgです。日本人は平均で約500mgのカルシウムを毎日摂取しているため、あと100~200mgを何かで補う必要があります。

食品に含まれるカルシウムの量は、牛乳コップ1杯(約200ml)で220mg、プロセスチーズ(スライス1枚 or 1/6個)で約130mg、いりこ約10gで約220mg、木綿豆腐1丁(約300g)で約360mgです。

これらの食品をうまく取り入れて、カルシウムを十分に摂取できるよう気をつけましょう。

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いかがでしたか。
ご高齢者では、知らず知らずのうちに食事量が減ってしまうことで、上記のような栄養素が不足しがちとなります。
ご本人の食事状況をよく観察しながら、栄養が不足しないように気をつけましょう。