老人ホームを探すと決めたら-いざ!入居初日の風景2

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いざ!入居初日の風景②

こんにちは。朝です。
先日事件が起きました。

あるおじい様がホームの部屋で、お中元の生き残りと思われる「くさや」を電子レンジにかけたのです。それはもうフロア全体にあの臭いが立ち込めて大騒動でした。

皆さん。マジで頼みますから贈答品はせめてドリアンでお願いします。

前回はあの手この手でホームに足を踏み入れるご本人を紹介しました。

今回はその方々がその後どんな行動に出るのかをお話しします。

このように連れてこられた場合、大抵の方はご家族の姿が見えなくなると「帰ります」と言います。当然ですね。

ここからがご本人とホームの攻防です。

認知症で「出口を認識する」ということが正しくできない方も、それはそれで色々あります。

多くの場合ホーム内を歩き回り、ドアとみれば片っ端から開けて入ります。

大抵それは他の入居者さんのお部屋なものですからまあ苦情の嵐です。

あとはフロアにいるスタッフにずっとついて回って離さないということもありますが、この場合はまだ強硬に出ようとしないだけ何とかなります。

しかし、大変なのは記憶や理解力がある程度しっかりしていて事務所やスタッフルームになぜ帰れないのかと抗議にやってくる場合です。

ある程度、というところがミソです。

一度納得しても何度でもやってきます。

「今日は泊まりますと娘さんから承っています」「料金もいただいてしまってもう食事も用意してるんです」「もう暗いので明日帰りましょうか」「ご家族の方がお迎えに見えるまで待ちましょう」「やだ、今日は泊まってくれるって言ったじゃないですか~」等々、あらゆる言葉や言い訳を尽くして引き留めにかかります。

それで聞いてくださる方はいいのですが、まあ そうはいかない方も当然たくさんおります。

「私はそんな話は聞いてません」「俺の事なんだから子どもは関係ない」「これから用事があるんだ」「私が家にいなかったらヘルパーさんが心配する」などと納得の帰宅理由を次々と並べます。

出られるしくみになっているホームでは出て行ってしまいますし(以前勤めていた老健ではそうでした。

出た先で事故があってはいけないのでそのような方は入所をお断りしていました。)そうでなければ出口の前で怒鳴る、叫ぶ、職員に詰め寄る。当然ながら必死です。

中にはガラスを割ろうとしたり職員に手が出たり、来客でドアが開いた瞬間に走り出てしまう方もいました。

その方は外の電信柱にしがみつき、施設長と1時間格闘した末やむなく人海戦術で抱え戻されました。

私は今までにいくつかの有料老人ホームに勤めていますが、大抵どの施設にも入り口付近に張り込んでドアが開く瞬間を虎視眈々と狙っている人がいるものです。

ご本人がどうしても外に出ると興奮し、怒鳴ったりするときには施設側からご家族に連絡が行きます。

大抵ご家族と電話で話してもらうとその場は何とかなるのですが、その後も同じようなやり取りが繰り返されます。

施設側もご家族と結託して色々と考え、なんとか馴染んでもらえるように対策を練るのですが、落ち着くまで1~数ヶ月くらいかかる方もいますし、ご本人からご家族へ猛然と抗議し、最終的に入居を見合わせるケースもあります。

私たちも仕事ですし、入居を希望しているご家族の経緯も聞いていますのでなるべく入居してもらえるように動くのですが、最終的にそれを覆し、意気揚々と家に帰っていく姿を見るとちょっと嬉しくなったりも、、、します。

認知症というハンデを抱えながらも家族や他人の意向を覆して自分のアイデンティティを貫いた姿はかっこいい。

ご家族の手前顔には出せないけれど、少しだけ誇らしく思えてしまうのでした。

いざ!入居初日の風景③へ続く

ABOUTこの記事をかいた人

主な経歴は約6年の介護付き有料老人ホームの介護スタッフで、現在3ヵ所目の有料老人ホームで相談員として働き始めたところです。 有料老人ホーム以外にも特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、ショートステイ、デイサービス、デイケア、お泊まりデイの現場も見てきました。 半年間ではありますが、介護老人保健施設の相談員も経験しています。