高齢者施設における脳トレについて「迷路」

川辺に咲くマーガレット

少し高度な内容になるので、認知症があっても軽度の人か、緑内障や白内障、加齢性黄変などの視覚障害のない利用者に限られてきます。

また、性差では、やはりこういう脳トレは、男性は好まないようです。女性の方がやはり抵抗ないようでした。年代は、70歳代から90歳代の方まで幅広かったのですが、年代による差はあまり見られず、個人差の方が大きいようでした。

初級・中級・上級と1枚で3段階試せる内容のシートを使い、個人個人の能力に合わせて取り組んでもらいました。

迷路解きは、認知症予防教室でのレクレーションによく使われます。海馬や前頭葉などの記憶を司る部分を刺激しますので、周囲の環境も静かで集中できるように整えるよう、配慮しています。

三つの施設で試してもらいましたが、抵抗なく取り組まれたのはクリアな方、70代以下の方などで、軽度の認知症の方は集中力が持続できず、また、壁となる線の位置を無視して終点まで筆を運ぶこともあり、認知症状の度合いの判断の一つになるようです。

脳の機能である「ワーキングメモリー」がやはり、認知症の方だとうまく働かないので、簡単な迷路を数多く取り組んでもらうことは、進行の予防にも役立つと考えられます。

短期記憶の障害が特に多く散見される方には、この脳トレはやはり効果的です。また、手を実際に動かすので、脳が記憶しようとする神経細胞の活性化にもなるからです。

MCI(軽度認知障害)の方に継続して取り組んでもらいましたが、解く時間は慣れるにつれて短縮していき、また、線が壁からはみ出すなどの認識障害も減少しました。

題材が少なかった為か、あまり多くの種類や人数に取り組んでもらえず、効果を検証するのは難点がありました。

ただ、実際の結果としては期待できるかもしれない、というくらいです。専門誌の付録でしたので、科学的にもきちんと監修されたものですから、効果が不明確ではない旨、申し上げておきます。

この脳トレもまた、利用者を選んでしまい、更に集団でゲーム的にやれるものではないので、行う相手・時間などの選択の幅が更に狭められてしまう傾向があります。

実際には、入浴介助の待機時間などで、気晴らし・気分転換代わりに使うことが多かったです。

使い勝手はあまり良くない脳トレでしたが、本当に何もやる種類がない時に試してもらうか、もっと楽しめるように勉強する必要性を痛感しました。

高齢者の頭の体操、脳トレとはどんなものがあるのか聞いてみました。