高齢者施設における脳トレについて「間違い探し」

脳トレで元気に

介護施設向け専門誌にも定期的に掲載されている、スタンダードな脳トレですが、性別や年齢に関わらず、抵抗なく取り組めるものの一つです。

バイタルの数値などに異常はないものの、倦怠感を感じて他の脳トレを拒否するような利用者でも、この脳トレは取り組む方が多いようです。

気軽に取り組めるのが一番の長所でもあるので、入浴介助の待ち時間などにしていただく事が多かったです。

集中力・注意力を引き出し、脳の活性化に役立つと言われており、実際に、例えば9つある間違いを5つ程度しか見つけ出すことが出来なかった80代の認知症の利用者でも、毎回繰り返し取り組んでもらうことで見つける個数も増え、完成する時間も段々と早くなる結果が出ています。

題材は季節の行事にちなんだものもあり、隣席の利用者とコミュニケーションを取りながら楽しんで取り組む方も多かったです。

なかなか見つけられないものはヒントを出しながら再度挑戦してもらうと、熱心にされる方が増えていきました。

注意点としては、視力に衰えが出てきますから、あまりごちゃごちゃとした絵柄のものは使えませんし、現代劇画風のものは線が太すぎて見づらいこともあり、好まれないようです。

新聞に掲載されてあるカラーのものを試したところ、白黒よりも見づらかったようで、視覚の状態に細かく配慮する点が、意外と気づかない事もあるのが分かりました。

長野県建築士諏訪支部青年委員会が発表されている「高齢者にやさしい色彩計画」によると、加齢に伴い、視覚が黄変化して物が見づらくなることが分かっています。

他にも、彩度の低い色のトーンは見づらいこと、暖色の色は認識しやすいが、寒色の色は認識しにくいこと、明度5か6までは見やすいことなど、様々な配慮が必要であると知り、驚きを禁じえませんでした。

実は、施設の中の設備でもレクレーションであっても、そのような点に配慮がいるということを知っている介護職員や機能訓練士、療法士等の専門職であっても少ないのではないでしょうか。

実際、複数の施設に勤務しましたが、そのような配慮を口にする職員は一人も存在しませんでした。

介護サービス計画を立てるケアマネジャーからでさえも、緑内障や白内障の利用者の担当者会議で一度も意見が出たこともなかったので、介護職員を育成する講座やテキストに掲載されてないのは、今後の課題でもあると感じます。

この脳トレは取り組みやすさと対象者の幅の広さから、普遍的な題材として広く使われていますが、実は様々な注意点があることを見逃さず、今後も取り組んでいく必要があります。

高齢者の頭の体操、脳トレとはどんなものがあるのか聞いてみました。