高齢者施設における脳トレについて「漢字の書き取り」

脳トレで元気に

この脳トレを行っていない施設は殆どないと言っても過言ではない、スタンダードな内容です。

その方の生い立ちによって習熟度も異なるし、また、認知症の進み具合によっても思い出せる漢字が異なるので、多くの施設は、文部科学省の小学校3年生の学習指導要領レベルから試してもらうことが一般的ではないかと思います。

そして、その方の出来具合により、少しずつ上の学年の内容に進んだり、中学校の内容へ飛んだりしています。

尊厳にはきちんと配慮して、学年は隠して配布したところもあれば、逆に、各学年分を終わらせて次年度へ上がることを目標にして、やる気を出させる施設もありました。

100円ショップなどに意外と良い問題集があるので、それを活用して一人一人のトレーニング計画表を立て、通所では時間内のみ、或いは宿題にするなどして、ご利用者ご本人のやる気の継続を図ります。

入所では、機能訓練の時間に作業療法士が指導にあたっています。

三つの施設にて、この脳トレを行いましたが、本当に人それぞれでした。

もともと漢字の書き取りが苦手だった方は提案した際に断り、逆に、興味があったり、物忘れの自覚がある方などは、抵抗なく取り掛かり、熱心に次の段階へと進もうとされる方も出てきます。

通所の利用日に律儀に宿題の漢字シートを持参し、通う習慣もつけられて、通所の利用意欲が出ているなどの効果もありました。

また、生活援助で訪問介護を利用した際に、ヘルパーの方と漢字の宿題を一緒に解くなど、コミュケーションの手段として活用されることもありました。

家族間でも同様に活用されたことは、利用者本人より聞き取っています。

もちろん、通所施設利用時でも、隣席の利用者と一緒に問題を解くなど、大脳の前頭葉刺激のみならず、社会性を取り戻す効果が、私の勤務した施設では多く見受けられました。

時には、気心が知れてきたこともあり、間違いを指摘しあってちょっとした口論が発生することもありますが、職員が取り成すことで険悪になることは防げますし、何より、漢字を思い出すことで、物忘れの自覚をし、自分の身の回り(ADL)を自分で出来る範囲で気をつけようという前向きな姿勢が見られるようです。

マイナス面としては、本人の体調が優れない時に、神経質な利用者の中には取り掛かれなかったことを過剰に気に病み、職員に謝罪することもあったので、あくまでも利用者本人が、本人のペースでやる事に意義と効果があることを強調し、精神状態の安定を保つ為の配慮は必要となることに留意しておくことが、脳トレ全般に言えるのではないでしょうか。

高齢者の頭の体操、脳トレとはどんなものがあるのか聞いてみました。