老人ホームを探すと決めたら-番外編 デイサービスとお風呂の話し

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こんにちは。朝です。

先日あるデイサービスにお手伝いに行ってきました。

その時のお話を前振りに書こうと思っていたのですが、とんでもなく長くなってしまったので番外編にさせていただきます。

そのデイは、平均介護度はそんなに重くなく、利用者さん同士やスタッフも親しいようでとてもいい雰囲気でした。

しかし、1つしかない家庭用のお風呂に3時間で15人を入浴させるという荒業をやってのけており、ちょっとびっくり。 利用者さんも慣れたもののようでしたが。

ただでさえひとつひとつの動作の遅い高齢者。一人にかけられる時間は単純計算で12分。普通にやったらまず間に合いません。

となれば一人が湯船に浸かっている間にすぐ隣(何しろ一般家庭の普通の浴室です)で、もう一人の洗髪・洗体介助、脱衣室には空いたらすぐさま入れるように次の人が2人ほど裸にタオルで待機。何度も言いますが一般家庭とそんなに変わらない広さの浴室に、スタッフも含めて大人が六人も動き回るわけですからすごい光景です。昼食の時間が刻々と迫る中、それはもう工場もさながらの流れ作業でした。

悪徳デイだと思いますか?

私は違うと思います。

デイサービスの入浴介助というのは、介護報酬1日50点です。

介護保険は1割負担なので利用者さんの自己負担が50円、保険料からデイに入る合計金額は450円ということです。

つまり入浴一回500円。

3時間で15人が入浴すると6000円ですね。

つまり、1時間2000円です。

介護スタッフは浴室と脱衣室と最低一人ずつは必要ですから、時給1000円としてもガッツリ赤字になります。

(ちなみに時給1000円で入浴介助というのは私だったらお断りです。

暑っつくて狭い浴室にこもりきりで、汗ドロドロになりながらの体力仕事ですからね。

そのデイのスタッフさんがいい人たちだったので悪いバイトではなかったのですが、その時の私の時給は1300円でした。)

まあ、お風呂で採算取ろうと思っているデイは少ないでしょうが、それにしてもな話しじゃありませんか。

その辺の銭湯だって500円くらいしますからね。

福祉を金に換算するなんてと思われるかもしれませんが、スタッフみんなボランティアではありませんから。

利用者さんにしてみても、もっともっとゆっくりゆったり入りたいに決まってます。

せかせかと体を洗われて、前に何人入ったか分からない湯船に、隣からピンピンお湯やら何やらが飛んでくる状況で数分浸かり、汗も引かない状態で容赦なく服を着せられる…

私だったら間違いなくデイのお風呂を拒否するでしょう。

では、なぜそれでもこんなに入浴を入れるのかといえば、色々な理由はありますがやっぱり最後の最後には利用者さんとご家族のためでしょうかね…

様々な理由で、デイに行かなければお風呂に入れないという人がごまんといるので、例えば週に2回のデイサービスでしかお風呂に入れない、お風呂に入るためにデイを探しているという人は少なくありません。

ケアマネさんに「この人はここでお風呂に入れなかったらもうお風呂に入ることができないんです!」なんて言われちゃったらもう人として入れないわけにはいかないというか…

とにかく最低限の清潔を保つため、冗談ではなく臭わないギリギリのラインを何とか保っている。

このような状況で地域のお風呂事情がなんとか回っていると言っても過言ではありません。

都市部では高齢者の受け皿が足りず、日本創成会議が施設入居を希望する方に地方の施設への入居を勧めたなんてことは記憶に新しいですが、今後がますます危惧されます。

ABOUTこの記事をかいた人

主な経歴は約6年の介護付き有料老人ホームの介護スタッフで、現在3ヵ所目の有料老人ホームで相談員として働き始めたところです。 有料老人ホーム以外にも特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、ショートステイ、デイサービス、デイケア、お泊まりデイの現場も見てきました。 半年間ではありますが、介護老人保健施設の相談員も経験しています。