医療現場でも活躍!高齢者の必要カロリーを体重から推定する方法

赤いハイビスカス

1日の食事量はどのくらいが適量なのでしょうか。

食事量がちょうど良いかどうかを判断するには、一定の目安が必要です。

今回は、ご高齢者の1日の必要カロリーの目安を、体重から計算する方法についてご紹介しましょう。

1日にどのくらい食べればちょうど良いのか?

私たちは、毎日食事を食べることでエネルギー源を摂取しています。もし、1日に消費するカロリーより食べるカロリーが多ければ、体重は増えて太っていきます。反対に、1日に消費するカロリーよりも食べるカロリーが少なければ、体重は減ってやせていきます。

とくに高齢者では、いつの間にか食事量が減ってしまいやすく、気がつくと体重が減って体力や筋力が落ちていた、という状況を招くことがあるため、注意が必要です。

では、1日にどのくらいの食事を食べれば、体重が安定してちょうど良くなるのでしょうか。その目安を、「計算によって求めてみましょう」、というのが今回のテーマです。

厚生労働省の定める基礎代謝基準値を使う方法

1日の必要カロリーを計算によって求めるには、いくつか方法があります。ここでは、日本人の高齢者で比較的誤差の少ない、基礎代謝基準値を使う方法をご紹介します。

●基礎代謝基準値を使う方法

厚生労働省によって定められた、「体重1kg当たりの基礎代謝量(基礎代謝基準値といいます)」をもとに計算する方法です。

◎計算方法

必要カロリー = [自分の年齢の基礎代謝基準値] × [現在の体重] × [身体活動レベル]

基礎代謝基準値は以下のサイトを参考にしてください。

厚生労働省の健康情報サイト”e-ヘルスネット”「加齢とエネルギー代謝」
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html

また、身体活動レベルは、1日にどのくらい動くのか、によって決まります。

・寝たきり:1.1  (寝たきり、もしくは1日中横になってほとんど動かない)
・低い  :1.45 (ほとんど座っている、あまり活動しない)
・ふつう :1.7  (仕事でやや動く、家事や軽いスポーツをする)
・高い  :1.95 (仕事中よく動く、激しいスポーツをよく行う)

◎計算の具体例

たとえば、72歳男性、体重52kg、1日中座ってテレビを見ていることが多くあまり外にでない、という人であれば、必要カロリーは以下のように計算されます。

・70歳以上の基礎代謝基準値:21.5
・現在の体重:65kg
・あまり動かない:身体活動レベル低い 1.45

必要カロリー = 21.5 × 52kg × 1.45 = 1,621 kcal

つまり、「1日に約1,600kcal分食べればちょうど良いですよ」、ということになります。

基礎代謝基準値は、厚生労働省が日本人を対象に研究を行って決めた数値であるため、日本人の必要カロリーを、比較的小さい誤差範囲で計算することができます。

体重が分からない寝たきりの高齢者の場合

上記の計算方法では、必要カロリーを求めたい人の体重が分かっている必要があります。しかし、寝たきりの高齢者では、しばしば体重を測るのが難しい場合もあります。

そのような場合は、「ひざからかかとまでの高さ(膝高)から身長を推定して、その身長をもとに標準体重を計算して利用する」という方法があります。

◎膝高から身長を推定する式

男性:推定身長 = 115.3 + ( 1.13 × 膝高(cm) ) - ( 0.12 × 年齢 )
女性:推定身長 = 123.9 + (1.20 × 膝高(cm) ) - ( 0.40 × 年齢 )

◎標準体重の計算式

標準体重 = [身長(m)] × [身長(m)] × 22

◎計算の具体例

たとえば、72歳男性、膝高52cm、寝たきり、というケースでは、

・推定身長 = 115.3 + (1.13×52) - (0.12×72) = 165.4 cm

・標準体重 = 1.654 m × 1.654 m × 22 = 60.2 kg

・必要カロリー = 21.5 × 60.2kg × 1.1 = 1,424 kcal

となり、「1日約1,400 kcal が必要ですよ」というように計算できます。

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いかがでしたか。
今回は、必要カロリーの目安を見つける方法として、実際の医療や介護の現場で使われている方法をご紹介しました。
数値は、あくまで目安であるため、その後の体重の変動をモニタリングすることが大切ですが、日ごろ食事が足りているかどうか、一度判定を行ってみてはいかがでしょうか。