シルバー人材センターとは、どんなところなのか!仕事内容からお金のことまで、わかりやすくまとめてみました。

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シルバー人材センターとは?

シルバー人材センター(以下:センター)は、都道府県知事の許可を要して設立する社団法人で、基本的に各市区町村に設置されています。

法人で働く従業員は主に都道府県労働局やハローワークなど厚生労働省所管の公務員を定年で退職した者、あるいは公務員によくある定年前の退職により離職した者で、労働関係の知識やノウハウを生かして働いています。

国家公務員では60歳の定年退職よりも5歳ほど早く退職を求められることがあります。
後身に道を譲ることで組織の若返りを図り、組織内部の人員の淀みを解消する目的です。

部課長クラスのポストについて2年から3年ほど経つと、まだ定年前であっても早期退職の声がかかることもあるといいます。後身の為にあくまでも自主的に、ポストを譲るために退職する人もいるようです。

こういったことは一時天下りが問題となって少なくなりましたが、組織内部の年齢層のアンバランスから役職ポストに就けない者が多く出る弊害を解消するために今でも一部行われています。

また60歳の定年退職であっても年金をもらえるのは原則65歳からですので、その間の収入源の確保の効果もあります。再雇用制度もあるので引き続き同じ省庁にとどまる職員もいますが、かつての部下の指揮命令を受けることを嫌って外部組織に転身する人も多いようです。

しかしよくやり玉に挙げられるいわゆる天下り団体と違って、シルバー人材センターは一定の効果的な事業を行っているとの評価もあります。

どんな事業をやっているのか?

事業体の理念としては、高齢者に働く場を提供して生きがいをもたせ、社会参加を促し、かつその有益な労働力をもって地域社会に貢献してその活性化を図ることを目的としています。

簡単に言えば、退職者や高齢者に仕事を与え、幾ばくかの収入源を提供することを主な事業としています。

また現在では高齢者が保有する既存のスキルやノウハウによるだけでなく、積極的に高齢者の能力やスキルを開発し高度な仕事を担えるようにするために、パソコン教室などを開催するなどの工夫もなされています。

仕事の受注先は主に都道府県や市町村などの自治体の官公庁、一定の企業、一般家庭などで、「臨時的・短期的又はその他の軽易な仕事」を受注します。「軽易」というのは誰でもできるという意味ではなく、それなりの特別な知識や技能を必要とするものとされています。

働き手の会員に注意が必要なのは契約関係

実際に働く高齢者は原則として誰の指揮命令も受けず、契約に従って取り決めた仕事を遂行する個人事業主として働くことになります。

従ってセンターや仕事の依頼者が雇用主となるわけではないので、労災や雇用保険など社会保険関係の保護を受けることはありません。

そのため就業に際しての事故によって怪我や後遺症を負った会員に対しての保証や、仕事の依頼者が被った損害等の補償が行われず問題になったことがありました。

これを受けて現在では、センターが民間の損害保険会社に対して団体傷害保険や総合賠償責任保険に加入するなどして手当をしています。

お金の流れは?

契約関係が雇用的なものではなく、民法上の委任や請負を引き受ける個人事業主としての働き方であるため、通常の給料のような受取にはなりません。

センターを利用して働く場合、三者が登場します。仕事の依頼者、センター、そして会員(高齢者等)です。

まずは依頼者がセンターに対して仕事を発注し、センターは自らが抱える会員の中から適当な人材を選出し、仕事を依頼します。この「適当な人材の選出」をしやすいように、各地のセンターは小分けにされて最小行政単位である市区町村ごとに設置されているのです。

依頼を受けた会員が仕事を完遂すると、依頼者はセンターにお金を支払います。そのお金をセンターが会員に支払います。

特殊なケースもある

原則として個人事業主として仕事を引き受けるのが主流ですが、場合によっては依頼者が企業などの場合、直接の指揮命令を受けて働く必要がある場合もあります。

そういった場合は、センターが法律上の派遣元事業者や職業紹介事業者の事業免許を受けたうえで、会員と雇用関係を結び相手方の企業等に派遣したり、職業紹介を行って就業をあっせんする場合もあります。

この場合、派遣事業であればセンターは雇用主としての責任が生じ、会員は労働者としての一定の保護を受けます。職業紹介であれば適当な人材の紹介義務などが発生し、会員は依頼者である企業等に労働者として雇われる(雇用される)ことになります。

登録方法は?

会員となって仕事のあっせんを受けたい場合は、最も身近な市区町村のシルバー人材センターに入会の申し込みを行います。

入会するには条件があり、
1原則として60歳以上で健康であり働く意欲のある者
2シルバー人材センターの趣旨に賛同する者
3入会説明を受け、入会申込書を提出した者(理事会の入会承認が必要)
4会費を納入することができる者
以上を満たさなければなりません。

会費については最小の市区町村単位のセンターによりばらつきがあり、東京の場合は年間600円から3000円とされています。

どんな仕事をするのか?

仕事の種類は様々で、技術分野では家庭教師や翻訳・通訳など。

技能分野では庭木の剪定、ペンキ塗り、障子やふすまの張り替え、衣類のリフォームなど。

事務分野では一般事務から経理事務、パソコン操作や筆耕・宛名書きなど。

管理分野ではビルやアパートなどの管理、スポーツ施設の管理など。

折衝外交分野では販売員や営業、配達や集配、電気ガスの検針など。

一般作業では除草や草刈り、包装・梱包、エアコンや換気扇の清掃、調理作業、チラシ配りなど。

サービス分野では掃除洗濯などの家事一般、高齢者の世話などの福祉サービスなど。

このように幅広い分野の中から自分の得意とする仕事を受注することができます。

賃金はいくらなのか?

働き方が原則個人事業主であるため厳密には「賃金」ではありませんが、仕事の対価として受け取る価額は月8日~10日稼働した場合は3万円~5万円ほどです。

センターでの就労はお金を稼ぐことが目的ではなく、あくまでも「生きがいを得るための就業」という位置づけなので、安定した一定額の稼ぎを約束するものではありません。

センターでの就労によって生計を立てることを狙うことは難しいので、おこずかい程度に考えるべきです。

依頼される仕事が自分に合わない場合は仕事ができませんから、場合によっては年会費などの出費分を回収できない可能性も0ではありません。

実際の仕事のあっせんは?

実際の所、各市区町村のシルバー人材センターに登録はしたものの、実際に稼働するかしないかは会員本人に任されるうえに、発注される仕事内容が自分に合わないことも多いので意外と実働することは少ないこともあります。

もちろん本人のやる気次第ですので、不得意でも完遂できる見込みがあれば挑戦してもよいのですが、第一線を退いた高齢者の場合は積極的なやる気が薄い方もいます。

依頼を受けたセンターは一応管理する会員に声掛けはしますが、上記のような理由で手を上げる人が少ないこともあります。

その中でも比較的実働が多い分野が草刈りなどの一般作業分野です。

地方の場合は草刈り機を自前で用意して自宅周辺の草刈りをする高齢者は多くいます。

そういった方はその技能がありますから声をかけられれば慣れた仕事でおこずかいが稼げます。

そして草は毎年生えるので、定期的な発注もあるのでよく稼働するのです。

依頼者は自治体が多く、自治体が管理する区画、例えば公園や運動場などの草刈りや芝生の整備などが件数としては多いようです。

他には工場で働いた経験のある会員は機械設備の管理などができますから、スポーツ施設の管理業務などを継続して依頼する企業もあるようです。

あまり人との会話を要しない、黙々と施設の維持管理をすることが性に合うという会員も多いようです。

仕事を発注するには?

シルバー人材センターは仕事を発注してくれる人がいなければ成り立たない事業ですので発注者が必要です。

発注者の開拓はセンターが行い、主に官公庁や一部の企業がメインで、ごくわずかに一般家庭があります。

これら発注者としてセンターを利用したい場合、どのように活用することになるのでしょうか。

発注は官公署や企業、家庭がある地区を管轄するセンターに申し込みます。依頼する法律上の相手方は会員ではなくセンターになり、費用の支払い義務もセンターに対して生じます。

依頼できる内容は高齢者でもできる仕事に限られますが、そのスキルを持つ会員が当該管轄地区に居ない場合もあります。その場合は近隣のセンターに照会して人材を探してもらうことができます。

基本的にはある特定の会員を名指しして依頼することはできません。契約の相手方はあくまでセンターだからです。どうしても管轄地区に居ない場合のみ他の管轄センターに照会できるのです。

またセンターの判断で危険な業務だと判断された場合はその仕事の依頼はできません。

現在、介護関係に力を入れるセンターが増えており、独自に講習会を行って会員に介護関係の資格を取らせる事業を行うところも増えています。

本来センターは臨時的な仕事しか受注しませんが、昨今需要が増え、社会的な貢献度も高い介護分野においては継続的なものも受注可能であるとしています。

特に身内の介護経験のある会員などは地域の個人宅での仕事の引き受け手として活躍が望まれます。

組織体系は?

会員の活動拠点となる最小単位のシルバー人材センターは各市区町村に設置されています。それを都道府県ごとに統括するのがシルバー人材センター連合会です。

さらにそれら都道府県ごとのシルバー人材センター連合会を統括するのが公益社団法人の全国シルバー人材センター事業協会(通称全シ協)です。

都道府県のシルバー人材センター連合会は都道府県の労働局から一定の指導や援助を受け、全シ協は国からの指導援助を受けます。