昔のことを思い出しながら行う、回想法を取り入れたレクリエーション

浜離宮の桜

今回は心理療法を取り入れたレクリエーションについてお話しさせていだだきます。

今回ここでお話しする「回想法」とは懐かしい場所や風景や昔流行った歌謡曲や、昔味わった食べ物などを当時のさまざま思いとともに回想する一種の心理療法です。
これらを誰かに話したりすることで得られる効果は、まず過去の問題解決、アイデンティティー(自分らしさ)の形成、将来への死への不安の軽減、自尊感情を高めるなどです。
過去の思い出や出来事を話すことによって、脳への刺激になりますし、精神状態を安定させる効果がります。

この回想法をレクリエーションとして取り組む前に、注意しなければいけないことがあります。
これは倫理的な問題で個人の尊厳を守る、また個人情報として他言しないこと、相手に無理やり話させたり、無理に尋ねたりしないことを必ず守りましょう。
この回想法から聞き出した内容はスタッフに共有したり、家族に伝えたりすることはありますが、本人の同意を得てからおこなうようにします。

またこうした話の内容には個人情報が盛り込まれていることがありますので、噂のように周囲に伝わらないように注意します。
あと、回想法については、無理に聞き出したりしないということについては、語り手の心の奥にある思いを受け止めることが大事なポイントです。
相手の顔色や表情などをよく見ながら、話しづらそうだったり、話したくないとおっしゃったりしたときには無理に聞く必要はありません。
ただ、話したことに対する共感ができる聞き手になることが望ましいでしょう。

では、グループで行う場合の回想法レクリエーションの具体的な方法についてお話しさせていただきます。

グループで行う場合、事前に決めておくことは「何回行うか」「テーマはどんなものにするか」などです。
参加者の男女、年代などのバランスも大事になってきます。

実際のグループでは5~7人程度で行い、この高齢者のグループの中にスタッフとしてリーダー1人、サブリーダーが1人と最低でも2人がつき添います。

話をする回数、テーマ設定については、昔よく遊んだ玩具や、道具、写真などツールをあらかじめ用意し、それにまつわる話や思い出などを話していくなどの方法があります。

最初はメンバー全員が打ち解けていない状態でもあるので、誰でも気軽に参加できて、テーマが軽いものの方が取り組みやすいです。
何回かおこなっていく中で、話しやすい雰囲気、高齢者の方もレクリエーションに対して慣れてきたなと思ったら、たとえばよくテレビ番組でもやっているサイコロを転がして、そのテーマについて語ったりしてもおもしろいかもしれません。
深い内容の話に持っていく、メンバー同士も気心が知れた段階まで持っていけるとベストです。

回想法は個人的な思い出や感情を引き出すこともできるので、高齢者と介護者との信頼関係を築き、互いの人間性を理解できる方法としてとても有効的です。
信頼できる方に話を聞いてもらうことで精神の安定につなげることができるのです。