高齢者の便秘対策に下剤は危険?

黄色い銀杏の葉

高齢者の便秘は、ただ便通が無いことだけでなく、腸内環境が悪くなることなどから来る悪循環が、高齢者の生活の質を落とす・・最悪の場合、寝たきりや認知症にもなりかねないのが怖い所なのです。

では、便秘にならないように、下剤を使えばいいのではないか?と思いますよね。
もちろん下剤は便を外に出せるという意味では有効ですが、デメリットも多くあるのです。

まず下剤の種類について、説明しましょう。
下剤は大きく分けると

1 便意を促し、腸の運動を高めるもの~浣腸や、ダイオウなどの生薬など
2 便が出やすくなるように、便の質を良くするもの(便内の水分量を増やすもの)~酸化マグネシウムなど

の2つがあります。
高齢者の場合、腸の筋力が緩み、便の排泄力が弱っているうえに、神経伝達力も衰えてくるため、1のタイプが多く使われます。

もちろん便は出ますが、あくまで対処療法で「便秘になりやすい状態」が治ったわけではありません。
むしろ逆になってしまうのです。

便を体外に出すということは、人間の健康にとってとても大事なことですね。
だから、元々体にそのような機能は備わっているのですが、下剤でその機能を補う習慣がつくと、体はどんどんサボることを覚えます。

下剤が「便意のお知らせ」も「便を出すための腸の運動」もしてくれるのですから、下剤を常用すると、自分自身の力で、便を出す力は当然衰えていってしまうのです。

これは若い人でも同じですが、自分自身の体の力が衰えている高齢者の場合、より下剤への依存が強くなってしまいます。
薬で出すことに慣れてしまうと、今までの薬では弱い、また絶えず便を出していないといけない気分になり、より強い下剤を多くの回数使うことになります。
こうして、どんどん便秘自体は悪化してしまうのです。

またこれが行き過ぎると、大腸メラノーシスという、大腸の壁が固くなってしまう病気になり、より便秘がひどくなってしまいます。

とはいえ、頑固な便秘の場合は、もちろんお通じを良くすることが最優先です。
あくまで、救急処置として使うと良いでしょう。
また同じ下剤でも、上記2のように、便に水分を多く含ませるタイプのものだと、排便力があまり落ちずに済みます。

便秘が健康に良くないのは、腸内環境が悪化することで、免疫力が落ちたりと、体に様々な害を及ぼすことです。腸内環境を良くすることが便秘解消では大事なことです。

最後に便秘の理由が、大腸がんなどの場合は、下剤を多用することで病気自体を見逃してしまいます。
そのことも頭に入れておきましょう。
まず、便秘の原因を探り、自分自身の体の力で便秘を解消するのがベストなのです。