腸が原因になる高齢者の便秘の種類

太陽に向かって咲く(ヒマワリ)

高齢者の便秘で1番多い原因は「筋力の低下」です。

歳を取ると体の外の筋肉だけでなく、内臓の筋肉も力が衰えます。だから中高年になると、たるんだ内臓が腹筋で支えきれずに下がってきて、おなかが出るんです。

腸の筋肉や腹筋が弱り、おなかの中で「腸がたるんでしまった状態」になるため、便がスムーズに通らず、外に押し出す力も弱くなります。

腸が緩んで起きるタイプ「弛緩性便秘」と呼ばれています。

こうしてたるんだ腸がたくさん便を溜めこむと、腸が狭くなります。すると更に便を外に出づらくなるという悪循環になっていくんですね。

女性は、産後に腹筋が緩みますが、それを改善しないまま、歳を取っていき、高齢になると強い便秘に悩まされるケースが多いです。
また高齢になると、神経伝達の働きが弱くなります。

「便意をもよおす力」も弱くなってしまうので、便が出る状態になっても「便が出るぞ」という指令が弱く脳から腸にうまく伝わらないため、無意識に排便を我慢し続けることになります。

こういう状態が続くと慢性の便秘になってしまいます。

これを「直腸性便秘」と呼びます。

またお通じの調子がいいと、とっても気分が良いですよね。これは自律神経の中の副交感神経がはたらくためです。副交感神経は心身をリラックス、緊張緩和させる働きがあり、腸の動きを活発にします。

しかし高齢になると、自律神経の働きがうまく調節できず、腸の運動(ぜん動運動)がうまく働かなくなってしまうのです。

これを「痙攣性便秘」と呼びます。

自律神経の調節がうまくいかないため、便秘だけではなく、下痢になる人もいます。

便秘の種類は、上に書いたように「弛緩性便秘」「直腸性便秘「痙攣性便秘」の3つがありますが、高齢者の場合、この3つの条件がすべて揃いやすい状態なのです。

腸の運動をコントロールする神経系統が老化してくるため、質の良い便が腸で作れない、便意が来ても気づきにくい、そして最後に、便を外に押し出す力が無く、出せない、となるため、便秘になる人が多く、かなり手ごわい便秘でもあるんです。

また高齢者の場合、薬を持病の薬の副作用や、腸内が狭くなっているためなど、さらに他の理由も加わってきます。

快適なお通じというのは、このように、腸に関する色々な条件が揃った健康の証です。

高齢者に便秘が多いのは、老化=健康である部分が減っていくからです。

ということは高齢者の場合も、できる範囲で問題を解決して、少しでも条件を良くしていけば悪循環から抜け出せる可能性は大いにあるのです。