老人ホームを探すと決めたら-介護老人保健施設について⑧

白く咲く花

こんにちは。3月に取ろうと思っていた有給は、あえなく撃退された朝です。

今回は、前回に引き続き老健から老健に移る時の注意点についてお話ししたいと思います。
あまり楽しい話ではありませんが、福祉にかかわる者として、利用者さんとご家族に知っていていただきたいことなのでお話しさせていただきます。

今回は、老健の医療に特化した施設という特徴のひとつとして、施設にいる間の医療費負担の問題をお話しします。

ある程度高齢になってくれば、多くの人は何かしらの病院にかかっているものです。
定期的に病院に通い、薬をもらったり検査をしたりして体調を維持しています。
ところが、老健に入所してしまうとそれらは一時にストップになります。

特養やグループホームなどは「住む」ところなので、提携の往診医がいたり、ご家族が病院に連れていったりできますが、老健では基本的にそれらはできません。

なぜなら、制度上老健入所中は基本的に医療保険が使えないからです。

老健は施設長がお医者さんで看護師さんもいるので、健康管理は施設側で行う建前になっています。入所時に飲んでいる薬などは、かかりつけ医から引き継いで施設長が処方箋を書き、費用は施設が負担します。

しかも、医療保険が使えないので入所中にかかる薬代などの医療費はほぼ全て施設側が、10割負担で負担している状態です。医療行為に必要な備品も資材もほとんど施設負担です。当然、施設としては極力医療行為を避け、医療行為が必要な利用者の入所を避けようとする傾向にあります。

介護施設なので設備もないし、入所している間に健康診断なんてもちろんありません。例えば糖尿病であっても、定期的に採血してデータを見ながら薬の量を調整する、なんてことはありません。入所した時に飲んでいる薬を漫然と飲み続ける状態になります。

これだけ見ても、老健はずっといることを前提とした施設ではないことは明らかです。

何年も老健を転々としている間に癌になり、本人も知らない間に進行、黄疸が出るなどして家族や施設側が気付いた時にはもう手遅れだったなんてこともありえます。医療に対する考え方は人それぞれだと思いますが、後悔しない道を選択してほしいと思います。

そうは言っても現実的に選択肢がない場合もあるでしょう。

相談員をする中で、それがこの国の現実なのだと思わざるを得ない場面もいくつかありました。そうであれば暗くなってもしょうがありません。家族として、縁のあった者として、できることを考える、実行するという方向に切り替えていきましょう。

私は10年弱、老人ホームにかかわる仕事をしてきました。
特養にも老健にもグループホームにも、入居金が何千万円にもなる有料にも、健常者にも認知症の人にも、いい顔をした幸せそうな顔をした人と不安そうな顔をした人がいました。
老人ホームをじっくり探しましょうと言っている私が言うのもなんですが、その表情に場所は関係ありません。

人間、最後の最後には自分の培ってきた考え方、人間性がものを言うんだなあと思います。
自分が幸せかどうかを決めるのに、受けているサービスは関係ありません。
最後にいい表情をしているかどうかはその人が決めることですし、人はその力を持っています。
私は常々、高齢者は弱者ではないと思っています。

介護老人保健施設について⑨へ続く

ABOUTこの記事をかいた人

主な経歴は約6年の介護付き有料老人ホームの介護スタッフで、現在3ヵ所目の有料老人ホームで相談員として働き始めたところです。 有料老人ホーム以外にも特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、ショートステイ、デイサービス、デイケア、お泊まりデイの現場も見てきました。 半年間ではありますが、介護老人保健施設の相談員も経験しています。