老人ホームを探すと決めたら-老人ホームを探す前に②

山手イタリア山庭園の花

実際、今の高齢者は住めば都が恐ろしく上手です。
戦中戦後を生き抜いて、ご近所さんや親せきと上手に付き合い協力し合い、家庭を切り盛りして子どもを育てた。団体生活にも慣れているし、人に何かしてもらったら感謝こそすれ文句を言うなんてそうそうない。
「私は置いていただけるならどこでもいいんです。」「ずっと今のところにいたいんです。」

何度その言葉を聞いたことでしょう。確かに入所している本人たちを見ているとそんなに不満はなさそうでした。
でも、本当にそうでしょうか。私たちはそこに甘えすぎているのではないでしょうか。どのような気持ちからその言葉が出てくるのか、真剣に考えてみたでしょうか。
家族に手間と負担をかけさせる負い目、行くところがないのではないかという不安、自分のことが自分でできなくなってしまった歯がゆさ、無力感。現状を変化させて行動を起こすことへの躊躇、倦怠感…
そんな後ろ向きな背景からくる言葉では、ないでしょうか。

厳しいようですが、これは現場スタッフとしての自分自身の日ごろの態度への問いであり、とりあえず現状を何とかできればいい、本人がどこでもいいと言ってるんだから、そんなに労力を割いて探すことはないんじゃないかというご家族に対する問いです。

そして、家族を老人ホームに入れることへの負い目を感じている方も多いと思います。
本人が嫌がれば長期戦にもなりますし修羅場になることもあります。
逆に 炊事洗濯をしなくていいのなら施設の方が楽。でも、色々探すのは大変だしこの年になると引っ越しも大変で面倒なのよ。というおばあちゃんも少なからずいます。

一度は自宅へ帰す、一緒に住むという選択肢も真剣に考えてください。
考えた上でホームを探すという決断をしたのであれば一生懸命探してください。そして、いい時も悪い時も、家族として最後まで関わるという覚悟を決めてください。
あなたにはあなたの生活があり、一生懸命可能性を模索してから決めたのであれば後ろめたく感じる必要はありません。
負い目を感じたり安心しきったりして家族が会いに来ないという状況が、本人は一番悲しくて寂しいのだということを忘れないでください。
これまでどんな関係だったかはわかりませんが、長い間家族として時間を共にしてきた両親への、最後にして最大のプレゼントを選ぶつもりでじっくりと、わくわくした気持ちで考え、探してほしいのです。

要介護を見直すへ続く

ABOUTこの記事をかいた人

主な経歴は約6年の介護付き有料老人ホームの介護スタッフで、現在3ヵ所目の有料老人ホームで相談員として働き始めたところです。 有料老人ホーム以外にも特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、ショートステイ、デイサービス、デイケア、お泊まりデイの現場も見てきました。 半年間ではありますが、介護老人保健施設の相談員も経験しています。