アルツハイマー病の治療とケア

日が差し込むピンクの薔薇

老年期に発症する認知症の原因で、最も多いのがアルツハイマー病によるものです。

アルツハイマー病は脳の中にアミロイドβタンパクと呼ばれる特殊なタンパク質が蓄積し、「老人斑」と呼ばれるシミを作り出します。

その一方で神経細胞が減少して脳が委縮していき、物忘れなど記憶の機能低下が見られ、認知症の症状が現れることになります。

アルツハイマー病は、現状で根本的な治療を行うことはできません。

そのため、アルツハイマー病と診断されたら、その進行を遅らせ、病気の危険因子を減らすことが大切になります。
アルツハイマー病の治療方法には大きく分けて薬物療法と非薬物療法とがあります。

薬物療法の目的は認知症の進行を遅らせることと、幻覚・妄想・徘徊などといった周辺症状の軽減が中心になり、非薬物療法では知的好奇心を保たせながら、運動や栄養の管理、趣味などを通じて、低下していく脳の機能やこれまで使われなかった神経細胞に刺激を与えることが主な目的となります。

薬物療法で使われているのは「ドネペジル」「ガランタミン」「リバスチグミン」「メマンチン」の4剤です。

ドネぺジルはアルツハイマー病の原因そのものを阻止するわけではなく、アセチルコリンを分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼの働きを阻害する薬です。

副作用は比較的少ないものの、まれに不整脈や肝障害などを引き起こすことがありますので、このような症状があったら医師に相談することが大切です。

ガランタミンはアセチルコリンエステラーゼを阻害すると共に、神経細胞のアセチルコリン受容体を直接刺激する作用があります。

リバスチグミンは貼り薬で、やはりアセチルコリンエステラーゼを阻害する働きをします。

メマンチンは神経細胞の損傷を防ぐ薬です。メマンチンは先に挙げた3種類のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬と併用できるのも特徴です。

非薬物療法では、本人がストレスを感じることなく、興味や関心を持ち続けられるような刺激を与えることが大切になります。

例えば歌を歌ったり写経を行ったり、本人が好きだった音楽をかけることも効果的です。

適度な運動を行うことによって大脳皮質の萎縮が抑えられ、かつアルツハイマー病の原因であるアミロイドβタンパクを分解する酵素が増えたという報告もあります。

ここでいう運動とはウォーキング程度の軽いものでよく、あまり身体に負担をかけずに続けられることが大切です。

栄養バランスのとれた食事を規則正しくとることも病気の進行を抑えることにつながります。
魚を習慣的に食べたり、野菜を多めにとることが予防に向いています。