エンディングノート介護利用法

紅葉と積もる雪

近年、平均寿命と併せて健康寿命という言葉をよく耳にするかと思います。

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されていますが、簡単に言うと「健康で自立し日常生活が送れる期間」のことで、平成22年の情報によると男性70.42歳・女性73.62歳となっています。

これに対し平均寿命は、男性79.55歳・女性86.30歳となっており、つまりは男性については亡くなるまでの9.13年、女性については12.68年の間、誰かに世話をやかれながら生活していると言うことになります。

あくまでもデータ上の話ではありますが、こうした背景のもと、世話をやかれる期間=介護される期間について、健康なうちからあらかじめ考え備えておくことは、今や一般的となりました。

こうした社会的背景を反映させてか、エンディングノートには身体に関することを記入する項目があり、自分自身が介護や治療を受けることになってしまった場合の希望を記入することができます。
最近では、個人利用はもとより、介護施設などにおいてもノートの記入を推進するようになってきているのも事実です。
例えば、皆さんが認知症などで介護を受けることになってしまった場合、ご家族や周囲の方が必ず直面するのは、「誰が・どこで・どうやって」介護するのかと言う問題です。

エンディングノートにはこれらの希望を詳細に記入することができますが、ノートが無い場合、本人は自宅介護を望んでいたのに施設での生活を余儀なくされたり、あるいはその逆で、本人は施設での生活を望んでいたにも関わらず、家族の誰かが仕事を辞めて自宅で介護されることとなってしまったり。

どちらが良いかはそのご家庭の判断とはなりますが、皆さんご本人とご家族や周囲の方は、お互いに迷い、相手に遠慮しながら物事を決めて行くことになるでしょう。

しかし、ノートがあれば、ご本人の希望がそのまま通るかはまた別の問題としても、自分自身の希望を家族に知ってもらうことができ、ご家族はその希望を汲み配慮しながら物事を決めていくことができます。

もちろんエンディングノートを記入しただけでお互いが納得した理想の介護となるとは限りません。

大切なことは、ノートをきっかけにして家族と会話し、介護に対する自分自身と家族との思いの差を埋めること。

実際にあったお話ですが、自分では絶対に施設に入所するしかないと思っていたのが、息子夫婦は将来同居して自宅での介護を考えていてくれたなど、会話をしてみたらお互いの気持ちがわかり選択肢が広がったと言う方がいらっしゃいました。

そして、ノートを記入する際には、なぜその様な結論に至ったのか。その背景を余白に記入しておくとより気持ちが伝わることと思います。

介護する側・される側。お互いにとって理想の介護に近づけるためにもエンディングノートは便利な道具となります。ノートを上手に利用してその時に備えておきましょう。

エンディングノートとは ~エンディングノートの基本~