高齢者を取り巻く医療問題

オールドローズ

近年、高齢者を取り巻く医療制度や年金制度の見直しによって、高齢者を取り巻く医療問題が顕著になってきています。

高齢者の場合、脳卒中などの24時間介護の必要が必用だったり、複数の疾患や合併症を抱えている場合が多いなどの特性があるため、それに見合った制度の対応が求められてきました。

現在、女性の平均寿命は約86歳、男性は約80歳です。寿命が長くなるにつれて老後の期間も長くなるなか、高齢者を取り巻く医療問題にはどの様なものがあるのでしょうか。

まず第一に、年金受給額が少なく、医療を受けられない高齢者が増えていることが挙げられます。

なかには医療費が支払えないために通院できず、病気を我慢して症状を重篤化させてしまう高齢者もいるそうです。

特に複数の疾患を抱えている場合、毎月の医療費や薬代がかなりかかることになり、年金生活の高齢者の生活を逼迫させています。

このような現状を踏まえ、社会福祉法に基づいて低所得者向けに各病院が行っている無料定額診療事業という制度もあります。
この制度はもともとホームレスなどのための医療制度でしたが、近年は年金受給者がこの制度を利用するケースが多くなっています。

この制度が知られることによって、より多くの貧困高齢者が救われますが、制度自体が脆弱なため、負担増により崩壊するのではないかという指摘もあります。

また逆に高齢者への医療処置が過剰になってしまっている現状も一方ではあります。

終末医療では回復の見込みの無い高齢患者に対して無理な延命措置を施している実態があり、倫理的にも今後の医療に関する課題となっています。

誰しも人生最期の時を家族と自宅で穏やかに締めくくりたいものですが、家庭での介護や訪問診療の環境が整備途上の現状では難しいと言わざるをえません。

二つ目に、介護が必要になった高齢者とその家族への支援です。

重篤な病気で入院した高齢者は退院後も介護が必要な場合も多く、介護できる環境がない家族から受け入れを拒否されるケースがあります。

しかしながら日本の病院では現在ベッド数を削減する方針にあり、行き場を失った高齢者の受け入れ先が無い状況で、高齢者がいくつもの施設を数ヶ月おきにたらい回しにされるなどの問題も起こっています。

これを防ぐため、地域包括支援センターでは在宅介護の相談や訪問介護、訪問看護の支援などを行い、高齢者が住み慣れた土地で暮らせるよう支援を行っています。

しかしながら、まだ環境が整っているとはいえず、さらなる高齢者の生活実態に即した制度作りが急がれています。