企業における高齢者雇用の実態

シュネービッチェン(薔薇)

平均寿命が上がるにつれて高齢者の価値観が変わり、従来のように隠居をして若い世代へバトンを渡してしまうのではなく、仕事などを通して社会への関わりを持ち続け生涯現役を目指すものへと変化しています。

知識と経験豊かな高齢者世代は、製造業における技術指導員や講師、介護施設のヘルパー、ブティックの販売員、タクシーの運転手など多くの業種で活躍しています。

その中には、定年後も同じ企業で顧問として継続的に雇われている人、前職を退職した後に他の企業で働いている人など経歴は様々です。
厚生労働省の調査でも、65歳以上の方が働ける企業が増加しているという調査結果があり、生涯現役で働ける環境は着々と広まっているといえるでしょう。

企業側としても高齢者を雇い入れることで税制上の優遇や、助成金を受けることができるため高齢者を雇用すると金銭的なメリットがあります。

また高い労働意欲を持つ高齢者を雇用することにより、職場の雰囲気が活性化するということも言われています。

高齢者を雇い入れる企業側としては、高齢者に元気で長く働いてもらえるよう環境の整備も必要です。

そのため定期健康診断を年二回実施したり、検診の際に腫瘍マーカー検査などの費用を会社で負担するなど独自の施策を実施している企業もあります。

また高齢者が体力に合わせて仕事をできるよう、希望によって短時間勤務ができるシフト制を採用している企業もあります。
仕事を求めている高齢者は単に賃金を求めているだけでなく、やりがいや生きがいを求めている場合が多いため、自身の生活パターンに合わせていきいきと働いてもらうための企業側の工夫が至るところで見られます。

仕事内容については、一般社員と同じく最前線で働ける職場を提供している企業がある一方で、後任の育成などの後方支援で高齢者にやりがいを見出してもらおうという企業があるなど形態は様々です。

技術を持った高齢者は海外から有益な人材として注目されており、なかには海外の製造業の現場で雇用される場合もあります。

年金受給年齢の引き上げや年金受給額の引き下げなどの施策により、年金収入だけで老後の生活費をまかなえるのか不安が広まっています。

また労働人口が減っている今の日本で、元気に働ける高齢者は貴重な人材といえます。

高齢者を取り巻く社会と価値観の変化は、これからの「老後の過ごし方」に大きな転換点をもたらすでしょう。

企業はこの変化を見据えて、高齢者向けのより柔軟な雇用環境を整備していくことで、自社活性化への活路を見いだせるかもしれません。